脾臓について
今回は脾臓についてお話しします。
西洋医学でいう脾臓とは、胃の後ろ側、膵臓の横にある、にぎりこぶし位の大きさの臓器です。
主な働きは、古くなった血液のお掃除や、細菌の死骸の処理と言われています。
東洋医学でいう脾臓とは、西洋医学でいう胃腸と考えて下さい。
昔は胃腸の消化吸収機能を“脾”の機能と表現したのです。
東洋医学で脾の機能の役割は大きく2つです。
1つは運化(うんか)の機能です。
これは、食べた物を消化吸収してエネルギー源に変える機能を言います。
西洋医学的な分析とほぼ同じです。問題ないですね。
もう一つは統血(とうけつ)の機能です。
統血とは、血液をの漏れを防ぐ機能のことです。
これは少し理解しにくいかもしれません。
よく出血を起こす人がいますね。鼻血が出たり、歯ぐきから出血したり、皮膚の内出血を起こしたりする人がいます。
ちょっと身体をぶつけたりして、青あざがすぐに出来る人。これは皮膚の中で内出血を起こしているのです。
女性の場合、生理ではないのに不正出血する人もいます。
これは脾の統血の力が弱いのです。
分かりやすく言うと、血管が丈夫でないのです。血管が弱いから、ちょっとした刺激で血管が破れて血液が漏れてきてしまうのです。
血管が弱い人は脾の力、つまり、胃腸の消化吸収の力がうまく働かない人に多く見られます。具体的には、野菜が少なく、砂糖の入った甘い物を好んで食べる人は、脾の力が低下します。
こういう人は、内臓も下垂します。胃下垂、子宮脱、脱肛、脱腸などなど。
なんというか、だらっとしていて、しまりがないのです。血管も筋肉も…
だから、内臓が正常の位置から下がってしまい、血管ももろく、出血しやすいのですね。
身に覚えのある人は、甘い物を減らし、血管や筋肉を丈夫にするビタミン、ミネラルをたくさん含んだ野菜をたくさん食べるようにしましょう!