症例集

※過去のカルテから皆様に参考になりそうなものをピックアップしています。
  

症例 1 不妊症

30代女性 冷えの改善からの懐妊

所見

結婚後3年以上懐妊がない。手足が異常なくらい冷たい。加えて足にかなりのむくみ。 体重は標準より少し上。生理は順調に来るが、痛みが少し。 出血色は暗紫。 子宮筋腫5センチ程度のものあり。舌診によりオ血確認。 痩せたい一心で、テレビの情報をうのみにして、水1リットル 以上服用。これが下半身のむくみと冷えに影響していると思われる。 水の大量服用をすぐ中止させ、補陽、活血、利水系の漢方薬を服用させる。2週間後むくみは消失。

冷えは以前ほどではないがまだ手足は冷たい。→補陽系の薬を増量。 1ヶ月後、手がぽかぽかして温かくなったと報告あり。 足はまだ冷えるが、以前より良いとのこと。→漢方薬は継続。 3ヶ月後、見た目がすっきりした感じになり、血色よい。 むくみが改善されたからであろう。足の冷えはまだあるが、手の冷えはほとんどなくなったとのこと。→薬は継続。 半年後、無事懐妊したとの喜びの声をいただいた。

 

症例 2 不妊症

30代女性 人工授精と漢方の併用で無事出産

所見 夫の精子の活力不足で、自然妊娠は難しいと言われ、人工授精を試みるも、なかなか育たない。

人工授精は数回に1回くらいしか、受胎しても成長しないそうである。 ダメでもともとという気持ちで、自分で色々調べて、

針治療、中国式整体、漢方などいいものはなんでもやっていきたいとのご相談であった。 推拿(中国式整体でスイナと読む)で身体のバランスを整え、妊娠中でも飲める漢方薬を服用することとなった。。 少し水毒様の症状が見られたが、彼女にもともと大きな問題はなかった。 人工授精前に推拿で身体を整え、授精後に漢方薬で栄養を与える方針を取った。 1回、2回目の授精は育たず。 3回目の授精で無事成長。10日目くらいに少し腹痛があり、安静にしていた程度で、その後は大きく成長し、無事出産。 元気な女の子を見せに来ていただいた。   妊婦やお腹の子供の成長の為に飲む生薬が色々あり、元来中国では幅広く用いられているのだが、

このことを日本ではほとんど知られていないのが残念である。

症例 3 慢性頭痛

30代女性 水湿の頭痛が1カ月で改善

所見 たまに頭痛がする。10代のころからとのこと。その時は鎮痛剤の服用は欠かせない。 むくみがひどいと軽い気持ちで相談に来られた。水湿と判断し、質問しているうちに頭痛に悩んでいることが判明。 天気が悪い日は特に調子が良くないとのこと。 典型的な水湿体質と判断し、利水系の漢方の服用を勧める。 服用後2週間でむくみが消失。4週間後に、頭痛がまったくなくなった。鎮痛剤もあれ以来服用していないと喜びの報告をいただいた。 顔のむくみがとれたせいか、痩せた?と良く聞かれるようになったと喜んでいた。実際体重は変わらないそうである。

症例 4 偏頭痛

30代女性 偏頭痛が漢方薬で改善

所見 生理後2,3日後に、偏頭痛に悩まされる。一度痛みだすと全く動けなくなる。鎮痛剤は欠かせない。 特に忙しいときやストレスが溜まっている時に生理がくると、決まって偏頭痛の発作に襲われる。 偏頭痛は激しく痛むが、治まってしまうと何事もなかったように正常人と変わらなくなる。 東洋医学では偏頭痛を肝陽化風、肝の風火と捉える。

分かりやすく言うと、頭内の血管がけいれんを起こしているのであり、平肝熄風、清熱薬を用いる。 生理後2,3日に起こるということで、生理前に活血薬を服用させる。すると、発作が起きないケースが多くなった。 鎮痛剤の服用回数が明らかに減り、発作の回数も劇的に減った。 このように、漢方薬で回復するケースも多いが、オ血による慢性頭痛は、鍼灸による瀉血がもっとも効果があると私は考えている。 日本では全部別に行われているが、漢方薬、鍼灸、気功、整体すべてを含めたものが東洋医学であり、

中国では当然すべて同時に行われている。 日本でもいつかそのような時が来ることを願ってやまない。

症例 5 にきび

17歳 男性 思春期のにきびが半年で軽減

所見 顔と背中に多量のにきび。赤にきびと黄色のにきびが両方。 少し膿んでいて痛みもある。

なんとか修学旅行までに治したいとのご相談。 清熱解毒系の薬を投与。2週間で改善がみられ、本人もがぜんやる気に。 ある程度は良くなったが、背中のにきびがなかなか治らず。 膿みは完全に消える。 活血系の薬と清熱利湿の薬に変更。これが良く効き、背中のにきびもすっかり良くなり、半年後、無事に修学旅行を迎えられた。

症例 6 線維筋痛症

50代男性 全身の痛みの改善例

所見 全身の痛みで夜も眠れない。特に冬場にひどく、気を失うこともある。

病院に通っているが、治療法がないと言われ、痛みに耐えながら生活する毎日。

ダメもとで漢方薬を試してみようと思ったとのこと。 東洋医学的には肝臓系の疾患と判断。平肝、補血、補陰薬を投与。服用したその夜から痛みが軽減。

本人もびっくりして、次の日に気になる症状を全部伝えてくる。 効果が早く出たのは良いが、簡単な病気ではないことを説明。食生活等、日常の注意点をお話した。薬は継続。 痛みはどんどん軽減。以前は立ちくらみやめまいもあったが、それも良くなっているとのこと。 良い時と悪い時を繰り返しながら、3カ月が経過。とくに寒い日は痛みが激しく出る。補陽系の薬と利水系の薬を追加。 良い悪いを繰り返す。それでも去年の冬とは比較にならないと本人は感謝しきり。

痛みで仕事も思うように出来なかったのが、今ではフルタイムの勤務が可能となった。 温かくなり、痛みがさらに軽減。薬は以前のものに戻す。 夏になり、薬の服用なしで生活出来るまでに回復。 ただし、完治はまだであろう。冬場はまた痛みが出るだろうと見ている。 本人の希望もあり、温かいうちは薬を飲まずに様子をみることとした。

症例 7 慢性の咳

40代男性 1か月続いた咳が数日で回復

所見 風邪をひいた後、咳だけが残り、それがぜんぜん治らない。 渇いたカラ咳がコンコンと続き、時にむせる。 医者の薬はぜんぜん効かないと本人。ドラッグストアで勧められた栄養ドリンクとか色々飲んでいるが、一向に良くならない。

咳だけのためにもう7、8千円使っている。なんとかならないかとのご相談。 肺陰虚と判断。補陰薬、キョ痰薬を使用。3日後に再来局。今までで一番良いとのご報告。

ほとんど良いが、もう少し薬が欲しいとのこと。

その後来局がないので様子が分からないが、効果が合ったと判断してよいであろう。

症例 8 激しく出る咳

20代 女性 夜中の咳に清熱薬

所見 激しく出る咳。特に夜中に出て、夜眠れない。小さな子供がいるので、早く治したいが、薬局でもらった薬は効かないとのご相談。 夜中に激しく出る咳とのことで、布団に入り、体が温まると出る咳とみて、清熱解毒系の鎮咳薬を勧める。   2日飲んだだけですっかり良くなったと、わざわざお礼を言いに来局。 漢方に習熟した者なら、簡単な症例なのだが、薬店ではまだまだ、この手の漢方を勧める薬剤師は少ないのが現状である。

症例 9 ドライアイ

40代 女性 ドライアイと眼の充血の改善例

所見 いつも眼が渇いていて、時に充血。抗アレルギーの目薬とドライアイ用の目薬は欠かせない。

ただし、目薬は指したときくらいしか効かないらしい。 他にめまいと頭痛がたまにあるとのこと。視診でむくみもある様子。酒好きでほぼ毎日飲酒。 肝陽上亢の肝腎陰虚、水湿と判断。地黄丸系の薬を勧めた。 服用すると調子良いとのこと。めまいや頭痛もなくなったとのこと。調子良い日が続くと、薬を飲むのを忘れてしまうようだ。 しばらく服用しないと、ドライアイが再発し、思い出したように薬の服用を開始する。

服用中はやはり調子が良いのを本人も理解している様子。 ただし、本格的に体質を変えるには、毎日の飲酒を改める必要がある。

本人に伝えてはいるが、なかなか理解が得られないまま、現在に至る。 飲酒が肝腎に負担をかけ、体内の水分代謝に影響し、ドライアイや充血を引き起こしているケースは、最近では珍しくない。

症例 10 摂食障害

40代 女性 食事、水も取れないケースが改善

所見 食事がほとんど取れない。水も飲めない。無理やり取ると、吐き気が込み上げて、気持ち悪くなる。

強いストレスをずっと受け続け、胃腸がほとんど働いていない。 腹部が硬直して動きがほとんどない。水分を無理やり取ると、それが溜まり、グルグル音がする。 腹部の強い緊張がずっと続いている状態である。 肝剋脾、肝脾不和と判断。 疏肝解欝剤、理気剤、利水剤を使用。 これが良く効き、服用すると本人も調子が良いのが分かるとのこと。

特にキジツが良く効く様子で、食事もおにぎり一個程度なら取れるようになり、水もコップ半分くらいは飲めるまでに回復。 ただし、ちょっと仕事が忙しいくなったり、ストレスを感じると、とたんに食欲がなくなり、つい食べるのがおっくうになる様子。 食事をまともに取れないため、冬場は陽気不足でとても寒がる。陽虚、血虚、陰虚と困った体質である。 まずは食事が取れるようにならなければどうにもならない。 理気剤を服用すると調子が良いようなので、漢方薬とともに、無理やりにでも食事を取らせ続ける。 これを続けていくうちに、寒い”と発言する機会が減ってきた。顔色も多少は良い。 だが、お腹の硬直は相変わらずであり、理気剤の服用はまだ当分必要であろう。 「頑張って食べないと…」と言い続けないとすぐに食事を取ることを止めてしまう。 漢方薬は良く効くが、しっかり体質を変えるには、まだまだ時間がかかるであろう。

症例 11 鼻炎

50代男性 鼻水がすぐに回復

所見 寒い中仕事をしていたら鼻水がズルズル出てきて止まらなくなった。鼻風邪かな?と本人。

仕事が忙しく、この後休むわけにはいかないので何とかしてほしいと来局。 顔色が真っ白でいかにも冷えている様子。風寒症、肺陽虚と判断。エキス剤を通常より少し多めの量を服用させた。 服用後30分くらいで鼻水は治まり、本人も驚いたようで、「漢方薬って良く効くんだね~」とお礼を言いに訪れてくれた。 その後悪化することなく、元気に仕事を続けられた様子。 今回は症状が出て、すぐに漢方薬を服用したのが良かったと言える。 寒気の風邪など、風寒症は症状の出始めにすぐに服用すると、悪化せずに治ってしまうケースが少なくない。 葛根湯などは常に常備していて、おかしいなと思ったらすぐに服用するのが、風邪を引かないコツである。

症例 12 吐き気

30代女性 朝からの吐き気が漢方薬で治癒

所見 朝から吐き気がして辛い。ナウゼリン(西洋薬)を服用したがぜんぜん効かない。

その他にドラッグストアで勧められた漢方薬を飲んだがいまいちとのこと。 この後保育園に小さな子供を迎えに行かなければならないので、診てほしいとのご相談。 ドラッグストアで勧められたものは柴胡桂枝湯であった。

方向は合っているが、吐き気と悪心以外に症状はないので、余計なものが入っていない、吐き気を抑えるだけの漢方薬に変更。 服用後、気持ち悪さは少し残ったが、なんとか吐き気は治まったので、無事保育園に迎えにいくことが出来た。 翌日にはすっかり回復した。 余談だが、吐き気にはすりおろした生姜が良く効くので、おかゆやうどんに入れて食すと良い。

症例 13 嘔吐

20代 男性 胃寒による嘔吐の改善例

所見 朝から嘔吐。吐ききって胃袋には何も入っていないが、気持ち悪いのが続く。

酸っぱいものが込み上げてくる。何を飲んでも効かないとのこと。 平素より少食で、サラダばかり食べていたら気持ち悪くなったと本人。胃寒症と判断し、温裏キョ寒薬を使用。 服用してすぐに吐き気が消失。陰の物ばかりを食べて胃が冷えて、けいれんを起こした典型例である。

症例 14 腹部の張り

30代女性 腹部の張りと吐き気の改善例

所見 お腹が張って苦しい。少し吐き気がして気持ち悪い。3日間便が出ていない。 食積と便秘による吐き気と腹部膨満感である。 理気剤と降逆止嘔剤を投与。   エキス剤1服ずつで症状が治まる。 その後溜まった便も解消したとのこと。

症例 15 アトピー性皮膚炎

23歳男性 顔いっぱいの湿疹が1カ月で改善

所見 顔面に赤い湿疹。小さいころよりアトピーで悩んでいたが、良くなり、13歳のころに突発性の全身の湿疹を起こしたが、

ここ最近は落ち着いていた。 顔面部に赤く滲出性の湿疹。それ以外にも全身に同じような湿疹。

肌は全体的に乾燥して荒れている。夜になり、体が温まると痒くなるという。 血熱有毒と判断し、清血熱毒、除湿の漢方薬を与えた。 服用後二週間後来局。あまり変化がなく、まだ夜になると痒いとのこと。除湿薬を増量し、痒みを抑える漢方を追加した。 その二週間後に再来局。明らかに顔面の湿疹が消失。腕と背中に幾分かの湿疹は残っているが、本人も明るく元気に。 薬は継続。その2週間後に湿疹はほぼ消失。 ただし、依然として、肌は荒れて乾燥気味。 今後は補血、補陰薬を中心に荒れて乾燥した肌の改善を目指すことで治療を続けていくこととなった。 若いし新陳代謝もよいために、回復が早かった例である。 また、漢方の治療を始める前に、ステロイドの使用をほとんどしていなかったのも、回復が早かった要因である。 皮膚病の相談では、ステロイドを長期間使用した後に来局される方が多いが、

この場合回復期間が長くなるばかりでなく、治療にてこずる場合が多い。 漢方治療に急に切り替えて、ステロイドの使用を急に中止すると、ほとんどのケースで悪化する。 長期間のステロイドの使用で、副腎皮質が委縮して抗炎症ホルモンを自分で分泌出来ないためと考えられる。 このことをきちんと理解してもらい、一時的な悪化を乗り越えての、体質改善が必要で、長期間の治療が必須となる。 理解が得られないケースも多く、漢方薬の服用で症状が悪化したと思われることも少なくない。   皮膚疾患の難しい所以である。

症例 16 慢性の便秘

50代女性 下剤を服用しないと出なかった便秘が解消

所見 いつも1週間位便通がない。さすがにお腹が張って苦しいので、いつも下剤で出している。 血圧が高いため、利尿作用のある薬を飲んで降圧している。 本人はこれが便秘の原因と言っている。 便は硬くて乾燥し、コロコロのウサギの糞の様。 潤腸通便薬を投与。 服用後2日で通便。お腹がまったく痛くないと喜んでいた。 1日3回の服用では、逆に便が緩くなるとのことで回数、服用量を減じて調整していくこととなった。 その後、薬の服用量がどんどん減っていった。食生活の改善も同時に指導。

毎日ではないが、服用なしでも通便する日があると喜んでいた。

症例 17 膝の痛み

50代女性 膝周りの膨れと痛みの改善例

所見 右ひざがいつも重だるい。歩くときについかばってしまうので、歩くペースがとても遅くなる。ちょっと長い距離を歩くと痛みが出る。 見た感じはむくみがあり、膝周りに水が溜まっている様子。 

利水系の薬をすすめるも、本人が抗炎症系の薬を強く希望し、1カ月分購入して行った。 1カ月後にあまり効果がなかったと来局。今度は勧められた方を試してみたいとのこと。 1カ月分の服用で再来局。こんどは調子が良いとのこと。 足のむくみも減り、歩き方も以前より良くなったように見える。しばらくは今の薬を続けることとなった。

症例 18 生理不順

31歳女性 1年来なかった生理が来るように…

所見   多のう性卵巣という診断を受けて、ホルモン治療を1.5年間行った。

血糖値が急激に上がってしまい、中止。そのご1年以上生理がない。 生活に問題ないが、漢方治療を試してみてはと母親に勧められて来局。 若いがかなり太っている。ホルモン治療の影響か。去年より1年間生理がない。

生理があった頃の生理痛は激痛だったとのこと。易疲労、嗜眠あり。 痰湿、オ血を確認。化痰、活血薬を使用。 1カ月後の来局。服用後イライラが増えたような気がする。便は軟便気味とのこと。 基本的な薬は継続し、疏肝薬を追加。 その後は来局なしで、同じ薬を郵送。4カ月後に無事生理が来たとの報告をいただいた。

症例 19 円形脱毛症

30代男性 ストレスからの脱毛が回復

所見   仕事のストレスから円形性の脱毛。それがどんどん進行し、頭部全体から脱毛するようになり、側頭部以外、毛髪がない状態に。

仕事にも行けずに、家で悶々と過ごしていたところ、このままではと、彼の奥さんから連絡があった。 脱毛以外に特に自覚症状はないという。ただ、甘いジュースを毎日大量に飲んでいるという。 肝気欝結、血熱と判断。漢方薬の服用と、中国式整体(スイナ)で心身を整えることとなった。甘いジュースは止めるよう指示。 2週間後に来局。脱毛が止まり、精神的にも前回より落ち着いた様子がうかがえる。 4週間後、明らかに発毛がみられ、頭部半分が髪の毛で埋まる。帽子をかぶり、仕事に復帰。 1カ月後に再び来局。一部に円形の脱毛部分があるが、かなり回復。

仕事は行ったり、休んだりを繰り返しているとのこと。 薬は継続。 3カ月後、元の髪にもどり、仕事も休まずに行けるようになったと彼の奥さんから連絡があった。

症例 20 のどと首の痛み

60代女性 原因不明の痛みが改善…

所見   首と喉の奥が痛む。固定性の痛みではなく、調子の善し悪しがある。湿布を貼ったり、痛み止めを服用しても全く効果がない。 整形外科に行ってレントゲン検査をしたが問題ない。耳鼻咽喉科で検査を受けても何もない。脳神経外科での検査も問題なかった。 「どこも悪くありません。気のせいでは?」とさえ言われたが、痛みはあるし、首の違和感が消えずとても憂うつ。手段がなく、娘さんの勧めで漢方を試してみたいと来局。 かなり強めの鎮痛剤が全く効かないので、筋肉や神経の痛みではなさそう。固定性ではなく、押すと気持ちいいと言う。 調子がいい時と悪い時があり、ストレスがたまり、大変な時は痛みが出るとのこと。背中とお腹がとても張っていて、緊張感が高い。

痛みの原因は分からないので、証で判断するしか手段がない。 肝火上炎と痰濁がみられるので、それらを抑える薬を投与。 痛みの改善とはおよそ縁のない処方だったので、効くかどうかはかけであった。 3日目にウソのように痛みがなくなったとご報告をいただいた。 それにしても、本人が異常を訴えているのに、「どこも悪くありません、気のせいでは?」はあまりにも無責任ではなかろうか。

その間、検査検査でたらい回しにされ、多くの出費を強いられる患者の身になってほしいものである。 本人が痛いと言っていて、ウソをついているわけではないのだから、「問題ありません、どこも悪くありません」は正しい回答ではない。 「検査をしたけれども、痛みの原因は分かりませんでした」「今の技術では、あなたの痛みの原因は解明出来ません」 が正しい回答ではないか? 多くの人に、西洋医学の検査が万能ではないことを知っていただきたく、この症例を挙げさせていただいた。

症例 21 糖尿病

60代男性 糖尿病の数値が下がった例

所見 糖尿病で通院。数値が悪く、医者には人工透析寸前だよと言われている。

透析は避けたいので、病院の治療と並行して、漢方薬も服用してみたいと来局。 体格は巨体。若いころから大食漢で、飲み食いし放題の結果今に至る。

たくさんの薬を服用しているようだが、血糖コントロールがこれ以上難しいと言われている。 のどが渇き、よく水を飲む。頻尿。夜間に3回トイレに起きる。前立腺も肥大気味。 易疲労でいつもだるい。足の先がたまにしびれる。 2型糖尿病の典型である。漢方薬は、清熱利湿薬、化痰薬を使用。

本人も人工透析の辛さは分かっているようで、真剣に取り組むという。 2週間に一度の来局で、薬はほぼ同じものを継続。3カ月後にHbA1Cが6.5から6へ減。 食生活も気をつけている様子。のどの渇きがなくなり、夜中にトイレに行く回数も減ったという。 その後も生活習慣を気をつけた結果、体重も減り、あきらかにシャープな体型になった。(あくまでも以前に比してだが…) ひとまず人工透析は避けることが出来たようで、引き続き食生活等を頑張っていくとのご報告をいただいた。 高血圧や糖尿病は、漢方治療だけでなく、生活習慣の改善が必須である。 蒔かない種が芽を出すことはない。 病気になったら、あれこれ治療に頼るばかりではなく、何がいけなかったのか、どんな間違った生き方をしたのか、

それをしっかり反省し、正すことが何よりである。

症例 22 高血圧 便秘

60代女性 高血圧と便秘の改善例

所見 血圧190/110 45歳の時に子宮がん手術で全摘。その後便秘になった。3日に一度の排便。

のどが渇く。血糖値は正常。たまに睡眠導入剤を服用する。 舌質は胖大で歯根。舌苔は白厚粘膩。脈結代。 平肝、滋陰、潤腸通便薬を使用。 1カ月後に来局。血圧170/100まで下がる。便通は毎日になったが、まだ量が少ないとのこと。気持ちが落ち着かず、緊張感が強い。基本の処方は変えず、疏肝薬を追加。 1カ月後に再来。服用後、気持ちは落ち着いたとのこと。便通も良い。夜寝付けない。血圧170/100 薬は継続。 その1カ月後に来局。血圧150/100まで下がる。健康診断の結果も良好で、尿酸値が6.0から3.7へ、中性脂肪99が74へ下がったとの報告をいただいた。 夜の寝付きは相変わらず悪いが、ひとまず良い結果が出たとみていいであろう。 薬は引き続き継続し、今後も食生活等気をつけていくとのこと。

症例 23 高血圧

59歳男性 高血圧の数値が下がった例

所見 1年前に離婚してから高血圧になった。体重も6キロ近く増えた。 血圧220/120とかなり高い。のどが渇き、痰が絡む。痰は粘っこく少量。眼が乾燥し、たまにめまいがする。

首は凝り固まっていて、ほとんど回せない。夜中にトイレに1回起きる。 舌は胖大で裂紋あり。肝腎陰虚の肝陽上亢と判断。 補腎陰、清熱利湿薬を投与。数値がかなり高いので、すぐに数値が下がらなければ病院に行くように勧める。 1カ月後に来局。血圧165/91まで下がる。 頭が重く、眼がしょぼつく。首は相変わらず硬直している様子。薬は同じものを継続。 1カ月後に再来局。血圧168/98だったが、家で測ると150/80くらいで、体調も良いとのこと。舌の状態もかなり改善した。 薬は継続して、もう少し様子を見ることとなった。

症例 24 高血圧

49歳女性 高血圧と睡眠の改善例

所見 10年前より、甲状腺機能亢進。現在も治療中。汗をよくかく。疲れやすい。二年前より体重5キロ増加。

血圧170/100 月経はまだ正常に来る。あまりよく眠れない。大便正常。 滋陰潜陽、安神清熱薬を投与。 2週間後に来局。血圧は下がらず。180/110 ただし、睡眠はよくとれるようになった。薬は継続。 2週間後に再来局。血圧170/100 体調にさほど変化はない。睡眠は良い。汗をかく。 2週間後に来局。血圧変わらず。胸部に少し湿疹が出たとのこと。それ以外に大きな変化は見られず。 変化がないので、処方変更。 平肝熄風薬、補腎薬に変更。 これがよく効き、血圧150/100まで下がり、発汗も治まり、食欲が出て、体調良好となった。

症例 25 全身の湿疹

32歳女性 全身湿疹の改善例

所見 小さい頃より過敏症。ぜんそくもある。全身に赤い湿疹。痒い。汗がよく出る。よく寒気がして、風邪を引きやすい。二便は正常。 体質的には気陰両虚だが、湿疹と痒みの治療を優先に処方。 1カ月後に来局。首以外の湿疹が治癒。薬は継続。 その2週間後に来局。湿疹はほとんど良く、汗もかかなくなった。湿疹は良いので体質を強める薬に変更。   甲状腺機能亢進。現在も治療中。汗をよくかく。疲れやすい。二年前より体重5キロ増加。血圧170/100 月経はまだ正常に来る。あまりよく眠れない。大便正常。 1カ月後に来局。最近また顔に湿疹が出るとのこと。ただし、疲れにくくなり、悪寒や発汗はなくなったとのこと。   薬は以前のものに戻す。 その1カ月後に来局。顔の湿疹はなくなった。首に少し赤みあり。薬は継続。 1カ月後に再来。湿疹は良いが、最近風邪を引いて辛かったとのこと。

体力をつけて風邪を引かない体質を目指したいとのことで、湿疹とともに引き続き治療を続けていくこととなった。

症例 26 疲れ

60歳女性 疲れと不眠の改善例

所見 疲れて気力がない。疲れがたまるとじんましんが出ることもある。

血圧は正常。食欲はある。便秘気味。両眼が乾燥する。体格は普通。   舌質は胖大。色紅降。気陰両虚、肝腎不足と判断し薬を投与。 2週間後に来局。あまり変わらない。便秘気味。便意はあるがなかなか出ない。通便薬を追加。 その2週間後に来局。便通は良くなった。疲労感は変わらず。 あまり話してくれなかったが、ストレスで結構食べている様子。お腹が張っている。睡眠が良くない。 疏肝薬、理気薬に変更。食事の量も指導。   2週間後に来局。腹部の張りは取れた。便通も良い。睡眠の質が悪く、不安感がある。 消化薬、養心安神薬に変更。 2週間後、睡眠の質が少し改善。以前より疲れにくくなったと思うと本人。 結局、ストレスからの多食 → 内熱からの不眠だったようである。 疲れの改善は、胃腸のケアと不眠の改善が基本であろう。

症例 27 虚弱体質

35歳女性 低血圧、虚弱体質の改善例

所見 血圧はいつも低い。汗をかきやすい。胸が張って疲れやすく短気。腰痛、腹痛がある。睡眠もしっかり取れなくて、眠れて5時間くらい。気力が続かない。 気血両虚と判断し、益気補血薬を使用。甘い物を控え、野菜を積極的に取るよう指示。 1カ月後に来局。腰痛、腹痛が減り、汗もかかなくなった。血圧100/60  薬が合っていると判断し、このまま継続することとなった。 一般に、虚証の体質改善は時間がかかる。今回の例は割と短期間で効果が出たケースである。 本人が自分の症状をよく観察し、体質改善に積極的であったためと言える。

症例 28 冷え症

30歳女性 冷えと下痢の改善

所見 手足が冷たく、風邪を引きやすい。よく下痢をする。生理はきちんと来るがいつも量が少なく、生理痛は重たい。食欲はあまりない。

睡眠の質も悪い。五年前に子宮内膜症と貧血の診断を受けている。口が渇く。トイレも近い。 気血不足と判断し、八味地黄丸と加味帰脾湯を投与。 1カ月後に来局。手足の冷えはまだあるが、以前より良いとのこと。睡眠の質も良くなり、便通も改善。生理も来たが、生理痛がほとんどなかったとのこと。 このまま継続して、さらに体質改善に努めることとなった。

症例 29 生理不順

17歳女性 3か月以上来なかった生理が来るように…

所見 3か月以上生理が来ない。正式にはいつ来たか覚えていないくらい。 このままではと思い、漢方薬の桂枝茯苓丸を服用している。 色白で体格は細い。股関節が痛い。部活でバトミントンをしていて、練習は結構ハードとのこと。 オ血はみられない。脈は弦。筋肉の疲労がみられ、ハードな練習でストレス気味の様子。血虚に肝気欝結と判断。 桂枝茯苓丸は中止して、加味逍遙散加芍薬附子を投与。 服用開始から3週間で生理が来る。 股関節はまだ痛むそうであるが、このまま継続で様子を見ることとなった。

症例 30 尿もれ

40歳女性 頻尿と尿もれの改善例

所見 トイレがやたらに近い。たまに間に合わずに少し漏れてしまう。睡眠の質も悪く、眠りが浅い。ペットボトルの水を良く飲む。足がむくむ。 清熱利湿薬を投与し、ペットボトルの水の摂り過ぎを止めさせ、水分は野菜、果物から摂取するよう指示。 服用3週間くらいで尿漏れは完全になくなった。トイレの回数も減り、むくみも取れた。 睡眠の質は相変わらず悪いので、それを改善する薬に切り替えて、現在も治療中である。

症例 31 頑固な足の湿疹

50歳女性 足の湿疹の改善例

所見 今年4月に店の前を通り、ふらっと入店。足の湿疹がなかなか治らなくて困っている。漢方はどうかとのご相談。 時間がないので、ゆっくり問診は出来す、足の状態だけ見せてもらう。 赤黒く結節性の湿疹が多数。皮膚科の治療を受けているが一向に良くならないとのこと。 調剤している時間がなかったので、出来ているものから選ぶしかなく、血府逐オ湯を14日分買って行かれた。 2週間後に来局。少し良いような気がするので続けてみたいとのこと。今度はしっかり問診する。 痒みとオ血あり。下半身の湿疹なので、竜胆瀉肝湯をベースに駆オ血剤と清熱利湿薬を投与。

同時に食生活も指導。 1ヶ月後に来局。少し変化が出始めたが、まだ湿疹多数。季節もあってかゆみがひどいとのこと。 清熱薬を増やし、基本は同じ物を継続。 1ヶ月後に再来。かゆみは治まったが、湿疹はまだある。薬は継続。 その1ヶ月後に来局したときには、明らかに湿疹の改善がみられた。 さらに1ヶ月後にはいくつかの湿疹はみられるものの、足がきれいな皮膚にまで改善。 その1ヶ月の服用でほぼ完治して、廃薬となった。 湿疹の効果は漢方を飲み始めて3~4ヶ月目によくなる場合が多い。

症例 32 耳鳴り

67歳男性 耳鳴りの改善例

所見 1年前からジーッという耳鳴り。特に夕方から夜にかけてが気になる。静かな環境だと気になって読書も在宅の仕事も できなくて困っている。漢方で耳鳴りが治った知人からの紹介で来局。 東洋医学的には肝気欝結、痰湿がみられるので柴胡剤と清熱化痰剤を処方。同時に食生活を指導。若い時から仕事の関係で毎晩 飲酒をしていたそうで、まずは毎日の飲酒をやめ休肝日を作るよう指導した。

この患者さんは意志が強く、病状の説明に納得すると毎晩の飲酒を週1回に減らし食生活も改善した。服用1ヶ月後では日中の耳鳴りはなくなり、3カ月後には8割方耳鳴りはなく なった。症状はよくなったが、漢方を服用しているとその他の体調もよいと服用は続けている。 耳鳴りの改善には漢方の服用だけでなく、食生活の改善(特に飲酒)が不可欠という症例である。

症例 33 強迫性障害1

30代男性 強迫性障害の改善例

所見 

 ここ一年くらい常に不安がある。電車に乗る時にパニックもある。心療内科を受診して抗うつ剤服用。胃腸も弱く太れない。常に疲労感あり。

抗うつ剤が効かないので漢方を試してみたいとご来局。気持ちの落ち込みとパニックを何とかしたいとのご相談。肝気欝結脾虚、陰虚、瘀血がみられるため、柴胡剤とともに駆瘀血薬を処方。1カ月服用で不安、息苦しさの症状が和らぎ、3か月でパニックがなくなり、抗うつ薬は減薬の方向で。服用後半年でパニックは完全になくなる。、肝気欝結の問題は解決したので現在は脾虚と陰虚の改善のため漢方を続けている。

この患者さんの場合、漢方の服用だけでなくスポーツ系の趣味をはじめストレスを上手くコントロールできるようになったのも大きいと思われる。

症例 34 頻尿

60代女性 頻尿の改善例

所見

10年以上前から頻尿あり。午前中は1時間おきにトイレに行きたくなるので日常生活に差し支えるし、電車やバスもトイレが気になって外出もできない。病院から猪苓湯が処方されているが、あまり効いていないのでなんとかしてほしいとご相談。

湿熱と腎虚がみられるため、清熱利湿薬と補腎系の薬を処方。1か月で頻尿の頻度が減り、午前中にトイレに行くのは2~3時間おきになった。4カ月服用で午前中の頻尿はほぼなくなった。半年服用ですっかり症状はなくなり、バス旅行に行けるようになったと喜ばれた。現在は予防のため補腎薬を継続している。

症例 35 嗅覚異常

40代女性 嗅覚の改善例

所見

一か月前に風邪をひいてから鼻水が咽喉の後ろに回って気持ち悪い、匂いもしなくなった。匂いが全くしないと味覚もにぶくなって料理すると味が濃くなって困るので少しでも改善できないかとのご相談。 脾虚痰湿、血虚、腎虚がみられる。とりあえず、匂いの改善ということなので化痰薬と補脾薬を症方する。一か月服用で鼻水が少なくなり、匂いも多少戻ってきた。二か月服用すると鼻水、匂いは完全によくなったので、化痰薬はなくし元々の体質である脾虚の改善に切り替え補脾薬服用中。これを服用すると疲れなくなるので予防のために続けるとのことである。

症例 36 にきび

20歳女性 にきびの改善例

所見

高校2年くらいから顔面と背中に赤いにきびがでる。生理前になると口の周りのにきびが悪化、膿をもつこともある。皮膚科でディフェリンゲル、ダラシンゲル、ビタミン剤、抗生剤を処方されているがよくならない。もうすぐ成人式で振り袖を着て写真を撮るので顔だけでも綺麗にならないかとご相談。瘀血、血熱、肝気欝血とあちこちに問題があったが、とりあえずにきびの治療を優先し清熱凉血薬を処方。成人式まで3カ月と時間がないので、本人にも食生活を野菜中心に変えるなど頑張ってもらった。一か月でにきびの赤みが薄くなり数も減少した。引き続き3カ月服用したところ、背中はまだ残っているが、顔はほとんど目立たなくなった。無事に成人式を迎え、後日写真を見せにきてくださった。 余談だがいつも重かった生理痛が改善されたそうである。にきびの目的で処方した凉血薬が子宮内の瘀血を取ってくれたのだろう。

症例 37 アトピー性皮膚炎

30代男性 アトピー性皮膚炎の改善例

所見

子供のころから乾燥肌で顔やまゆ毛に粉がふいたような感じだった。成長するにつれ赤みのある湿疹、痒みがひどくなってきた。現在は特に肘膝の内側、首の周り、目の周りがひどい。見た目も赤黒くなって痒みが強い。掻き壊しもある。ステロイドは子供の頃から20年以上使用している。最近はステロイドも効かなくなってきたので本格的に体質改善をしようと思い来店した。 瘀血、血熱がみられるので清熱凉血薬を処方。食事の内容も悪いため食生活も合わせて指導。ステロイドの使用歴が長いためリバウンドによる悪化の可能性を説明。ご本人も体質改善のためには一時的な悪化も仕方ないとご納得いただけた。私たちもリバウンドが必ずあると覚悟していたが、一ヶ月後のご来店時にはリバウンドは全くなく、皮膚の赤み痒みとも改善がみられた。これは、この患者さんの内臓が強く、漢方薬によって解毒された毒素が体の表面にでることなく、便と尿で完全に排出できたためと思われる。 ただし、この患者さんは例外でアトピー性皮膚炎の場合、ステロイド使用歴が長いほどリバウンドも多くでるので、最初に患者さんにきちんと説明することが大切である。

症例 38 腕の痺れと偏頭痛

40代女性 痺れと偏頭痛の改善例

所見

20代の頃から偏頭痛がある。天気の悪い日や仕事が忙しくなると悪化する。頭痛薬が手放せない。生理痛もある。30代くらいから腕が痺れるようになった。整形外科に受診したが原因不明。ビタミンB12を処方されるが改善なし。頭痛薬も効かなくなってきたので漢方で体質改善をしたいと思い来店した。肝気欝血がみられる。食生活を伺うと毎日飲酒してるとのこと。ストレスの多い職場なのでどうしてもお酒が止められない。毎日の飲酒と仕事のストレスで肝臓がかなり疲れている。東洋医学的にみると痺れも偏頭痛も原因は同じである。和解剤を処方。「お酒を止めないと痺れは治りませんよ」と説得し、飲酒を控えるように指導。頭痛は一か月で効果があったが、痺れはご本人がなかなか断酒に踏み切れないこともあり半年ほどかかった。今ではご本人もお酒の害を認識し、食事も気をつけているので症状はでていないそうである。

症例 39 風邪のあとの長引く咳

20代男性 長引く咳の改善例

所見

子供の頃から喘息気味。風邪をひきやすく疲れやすい。風邪をひいたあと、他の症状は治まっているのに咳だけ一か月以上続く。痰はなく乾いた咳。いったん咳き込むとむせてしまい苦しい。病院で検査したが異常なし。咳喘息ではないかと中枢性の鎮咳薬、ステロイドの吸入薬、気管支拡張薬を処方されたが効果なし。仕事にも差し支えるので何とかならないかと来店した。 痩せ形。脾虚、肺陰虚がみられる。気管支の炎症というより肺の乾燥なので滋陰薬を処方。2週間で咳は治まったが、元々の喘息の体質を改善したいと服用継続中。

症例 40 足の裏のほてり、熱感

60代男性 足の裏の熱感の改善例

所見

数年前から足の裏がほてる。熱くて冬でも布団から足をだして寝ているほど。病院にいっても治療法はないと言われて、漢方で何とかならないかと来局。 元々は丈夫な体質だが、毎日の飲酒のせいか水湿、湿熱がみられる。多少、腎虚もみられる。清熱利湿薬、補腎薬を処方。お酒も控えるように指導。3か月程の服用で足のほてりは治まり、良く眠れるようになった。症状は完全に消えたが、服用していると体調がよいとのことで現在も継続服用中である。

症例 41 外陰部の痛み、ただれ

30代女性 外陰部の痛みとただれの改善例

所見

20代後半から外陰部がただれるようになった。疲れるとただれが酷くなるような気がする。痛みもある。婦人科に受診して抗真菌薬の軟膏、膣錠を処方され、しばらくは良いのだが疲れると同じ症状がでる。未婚なのであまり婦人科にはいきたくないし、症状も変わらないので漢方で体質改善をしたいと来局。体格はよく元々は丈夫な体質でなんでもよく食べ良く飲む。肉食、ビールを好む。体質をみると湿熱、腎虚がみられる。長年の食生活で湿熱体質になり、外陰部が細菌感染しやすいのであろう。清熱利水薬を処方。同時にビール、肉食など湿熱の原因となる食生活を控えるよう指導。 一か月服用してただれは改善してきた。引き続き食事にも注意して漢方薬も継続服用中。ただれ、痛みはかなり改善してきたが、長年の湿熱体質を改善するにはまだ時間がかかると思われる。

症例 42 冷え症

14歳女性 極度の冷え症の改善例

所見

小学生の時からすでに手足、全身が冷たかった。冬はもちろん夏場の冷房もきつい。夏も靴下をはいて寝ている。中学になって生理が始まると生理痛が辛い。生理は28日周期でくるが経血量は少なく、色も薄い。部活の練習中に息切れする。お腹も子供の頃から弱く、少食で下痢気味である。大学病院で検査したが異常なし。ビタミンEを処方されたが効果ないので体質改善をしたいと母親と来局。色白で華奢な体つき。少しイライラしている。血虚、陽虚、水毒、肝気欝血が見られる。生まれつきの血虚で日常生活を送るのにも他人よりハンデがあったと推察される。冷えも血の量の絶対的な少なさからきていると思われる。補血薬を処方し、食生活の指導。血虚の改善は時間がかかることを説明する。1ヶ月で生理痛は軽減。冷えは多少という感じ。3か月服用して顔色がよくなり、本人も改善の実感がでた。現在半年ほど服用して症状はかなり軽減したが、今年高校受験があるので体調を維持したいと予防的に継続服用。

症例 43 ほてり

50歳女性 ほてりの改善例

所見

若い時から一年中体が熱い。特に夏は辛い。数年前から疲れ、頻尿、むくみがでてきた。閉経は一年前。今年の夏は特に暑くてのぼせが我慢できないほどになったのでご来局。基本的に体質は丈夫だが、脾虚、水湿、陰虚内熱がみられる。清熱利湿薬を処方。一か月服用で体の熱さは軽減し、むくみもよくなった。しかし、服用を止めるとほてりが戻るので夏の間は服用してもらった。現在は元々の原因である陰虚内熱の改善をして来年の夏に備えている。

症例 44口内炎と出血

70代男性 口内炎と歯ぐきの出血の改善例

所見

10年くらい前から歯ぐきから出血する。歯を磨いても歯の表面に血がベットリとついて見た目が悪い。口の中が常に血の味がして食事も美味しくない。疲れると口内炎ができて病院でもらった薬(ビタミン剤、ケナログ)を使っても良くならない。漢方で何とかならないかとご来局。 70代という年齢を考慮しても体質は丈夫。高血圧などの持病はなく、口内炎の薬以外は飲んだことがない。食欲はあり、なんでも食べれる。お酒大好き。赤ら顔である。年齢の割には肝臓も腎臓も丈夫。ただ、食生活の偏りのため瘀血が見られる。清熱凉血薬を処方。食生活の改善とお酒を減らすよう指導。 一か月の服用で出血は止まり歯も白くなった。お酒を控えるようにして野菜も食べている。赤ら顔がよくなり健康的な顔色になった。

症例 45 原因不明の顔面、首の張り

40代女性 原因不明のあごから首にかけての痛み、張りの改善例

所見

数年前からあごから首、肩にかけて張り、痛みが出るようになった。頭痛もある。顔も片側が麻痺しているような感じがする。今まで整形外科、整体に通ったが効果なし。体質を改善したら治るのでは?と思って相談にきた。

正面から患者さんの顔を見ると片側が下にさがっている印象。張っている方の部位が緊張している。長年の痛みから精神的にも症状が見られる。肝気欝結、痰湿が見られる。分泌物過多の体質のため首から上が痰で塞がって痛みがでたのであろう。

化痰薬を処方。一ヶ月服用すると張り、痛みは減って来た。服用継続するも暴飲暴食をすると痛みがぶり返す。漢方薬の服用とともに鍼灸治療を勧める。漢方と鍼灸を併用することで痛み、張りは消失。顔面の歪みもなくなった。

症例 46 ヘルパンギーナ

4歳 女児 ヘルパンギーナの改善例

所見

前日より発熱、咽喉の痛みあり。小児科に受診したところヘルパンギーナと言われ、「ウイルスに効く薬はない」とカロナールのみ処方された。 このまま良くならないと、保育園に行けず仕事を休まなくてはならないと母親より相談。 辛凉解表薬を処方。苦い薬なので4歳児が飲めるかわからなかったが、蜂蜜と混ぜて服用した。3回分服用しただけで、発熱、咽喉の痛みは改善。翌日、お母さんがお礼にきた。 漢方薬には抗菌、抗ウイルス作用の生薬があり、ヘルパンギーナだけでなくインフルエンザにも有効である。

症例 47 男性不妊症

30代男性 不妊症の相談

所見

結婚5年経過しても子供ができないので夫婦ともに検査を受ける。奥さんの方は特に問題なし。自分の方は多少精子の運動率が悪いそうなので人工授精前に少しでも改善したいとのこと。 男性にしては冷えが強く血も薄い。血虚、腎陽虚が見られるので補血剤、補陽剤を処方。一ヶ月服用すると冷えに改善が見られる。仕事に集中力がでるようになり、疲れにくくなった。同じ薬を継続。半年ほど服用すると人工授精の予定前に奥さんが自然妊娠した。

症例 48 坐骨神経痛、足の痺れ

70代男性 坐骨神経痛、足の痺れの改善例

所見

一年前から左足が痺れ痛みがある。整形外科受診。坐骨神経痛と言われ痛み止めと湿布がでたがよくならず。奥さんがうちのお店の患者さんで漢方が良く効いたので自分も飲んでみたいとご来局。 70代という年齢を考えると健康体である。血圧140と安定。整形外科の他は病院にかかっていない。健康だが長年の飲酒で痰湿と肝腎が疲れている。まずは化痰剤で体の老廃物をきれいにしてから、利水剤で下半身のむくみをとった。同時に飲酒を控えるように指導。 意志の強い人で、その日から断酒。2カ月服用で痺れは良くなった。寒くなった頃からブシ剤を加える。食事も野菜中心に変更。半年後には痺れ、痛みともなくなった。この患者さんの場合、薬だけでなく、断酒、食生活の改善などご本人の努力も大きかった。

症例 49 うつ病

40代 女性 抑うつ状態の改善

所見

2年前にパニック発作を起こす。以来動悸、不安、不眠が続く。自営業で絶えず、仕事、家事、育児に追われて気が休まらない。SSRIが効かず 抗精神病薬を服用しているが効果感じられず。漢方で何とかならないかとご来局。 診断すると、肝気欝結、血虚、腎虚が見られる。元々の虚弱な体質に過重なストレスがかかって肝気欝結になったと思われる。疏肝剤、補腎薬を処方。一ヶ月服用でだいぶ眠れるようになった。パニックにならない日が増えてきた。 3ヶ月服用でかなり不安、動悸も改善したが仕事が繁忙期になると体調が崩れる。薬だけでなく自分の時間を作るなど生活環境についてもアドバイス。西洋薬の減薬できた。現在も体調維持のため服用中。

症例 50 PMS

30代女性 PMSの改善

所見

第2子出産後から生理前5日前からイライラ、落ち込み、だるさ、眠気あり。特にイライラがひどく子供にも当たってしまうので何とかしたいと ご相談。 元々の体質は問題なしだが多少腎臓に疲れが見られる。肝気欝結、水湿あり。疏肝剤を処方。 1日分飲んだだけで気分が良くなったと翌日 お礼にみえられたが、この方は元々が健康だったためで気を流すだけで改善したレアケースである。一か月服用してだんだん楽になるというのが大半のケースだが、PMSは体質に合えば漢方が著効する疾患である。

症例 51 舌痛症

60代女性 舌の痛みの改善

所見

この患者さんは元々逆流性食道炎で来店しており、胃腸の機能を高める漢方薬を服用してずっと調子がよかったが一か月前から急に舌が痛みだした。 舌癌かもしれないと不安になり、口腔外科でガンの検査を受けるも異常なし。舌痛症と診断される。 医師から「舌痛症の原因は不明。薬もない。自然治癒する人もいるので上手く付き合っていくしかない」と言われ、何とかならないかとご来店された。 元々の体質は脾虚水湿。舌の先が赤くなっており、舌が浮腫んで歯型が付いている。とりあえず、今までの補脾健脾薬は継続。清熱解毒薬を追加。一週間で痛みはかなり軽減した。3週間服用で痛みはほぼなくなり、舌のむくみもよい。一ヶ月服用して清熱解毒薬は中止。補脾薬のみにした。 舌痛症の原因は不明とのことだが、この患者さんに限っては舌のむくみで歯が舌にあたって傷つき炎症したと思われる。舌のむくみ解消のために補脾薬はしばらく継続した方がいいだろう。

症例 52 腰痛

40代女性 腰痛の改善例

所見

2週間前より腰、背中が痛い。整形外科でレントゲンを取ったが問題なし。ロキソニンと湿布を処方された。痛みどめを服用してしばらくは良いが痛みがまたぶり返す。ロキソニンを服用すると胃が痛くなるのであまり飲みたくない。家族が当薬局の患者さんで紹介で来局。 まだ40代だが腎虚が見られ水湿もある。自律神経が多少乱れ、上半身はほてるが下半身には冷えが見られる。口渇、足のつりもある。 肝臓の疲れが見られるので平肝作用のある漢方と補腎薬を処方。1日飲んだだけで痛みが治まったと翌日お礼に来局された。痛みはもうないが むくみ解消のために継続服用中。

症例 53 疲れ、足のつり

20代男性 疲れと足のつりの改善例

所見

当薬局の患者さんの大学生の息子さん。お母様の腰痛、膝痛が漢方で改善したので息子さんの疲れを何とかしてほしいとご来局。 大学のダンスサークルに所属。かなりハードな練習が毎日あり疲れが抜けない。ダンスの練習中によく足がつる。練習にさしつかえるので何とかしてほしいとのこと。 主訴は疲れだが体質的には虚弱ではなく、むしろ内臓はかなり強いタイプ。舌をみると赤く黄色の苔が付いている。典型的な湿熱体質。ハードな練習のストレスからか肝気欝結もみられる。練習後、ダンスサークルの仲間とビールとから揚げが日課だそう。食生活による湿熱とお酒とストレスによる肝臓の疲れと診断。湿熱をとる清熱利湿薬と肝気を流す漢方を処方。同時に食生活の改善を指導。お母さんが食事を野菜中心に徹底的に改善し漢方を一ヶ月服用すると足のつりはなくなり、疲れの程度も軽くなってきた。体質改善のため継続中。 一般的に疲れというと人参系の補う漢方薬が処方されるが、このケースは肝臓の疲れによる疲れなのでデトックス系の漢方を処方した。

症例 54 つわりによる食欲不振

20代 女性 つわり時の食欲不振の改善例

所見

当薬局の患者さんの娘さん。つわりがひどく実家に帰ってきている。妊娠2カ月。常に吐き気があり、食事が全くとれない。吐き気止めのナウゼリンを処方されたが効果なし。栄養補給のため病院に栄養剤の点滴を受けに行っている。 なんとかならないかとお母さまのみご来局。 とりあえず妊婦でも服用できる理気剤を7日分処方。お母さまの話だけで処方したので効果はどうか案じていたが翌日に食事がとれるようになったとお礼の電話があった。 漢方では妊娠中でも服用できる薬が多くあるので、妊娠中の不調は相談してほしい。

症例 55 原因不明の背中の痛み

50代 男性 原因不明の背中の痛みの改善

所見

三か月前から背中に激しい痛みがあり夜も眠れない。急性膵炎、尿管結石などを疑ったが血液検査、MRI、CTも異常なし。24時間心電図をとったが循環器的にも問題なし。整形外科に受診しても原因がわからなかったので紹介で当薬局にご相談。 肝気欝結がありかなりの緊張状態。舌を診ると分厚い苔、および絆大がみられ痰湿、水毒がある。 肝気欝が強かったので自律神経の乱れによる交感神経の過緊張と思われる。疏肝解欝作用のある和解剤を処方。2週間の服用で痛みはかなり改善した。現在もストレスをためない生活をするよう指導し、服用継続中。

症例 56 潰瘍性大腸炎による出血

50代 女性 潰瘍性大腸炎の出血の改善

所見

20代の頃から潰瘍性大腸炎の症状あり。今は緩解してたまに下痢と腹痛がある程度。お盆の帰省で親戚と集まった時につい暴飲暴食してしまい、そこから下痢、腹痛だけでなく下血もするようになった。ステロイドは服用したくないとのことでご相談。
水毒と腎陽虚あり。かなり冷えている。
体を温める温裏祛寒剤に出血を止める青黛を加える。1ヶ月の服用で出血は止まった。現在食事を気をつけつつ温裏祛寒剤のみを継続服用中。

ページトップへ