食事の話…その②

  • 2016年05月1日

 身土不二(しんどふじ)という言葉があります。

 身体と育った土地を二つに分けて考えてはいけないよという意味です。
 どんな人も、その土地で取れるものや、長年食されてきたものを中心に食生活を営んでいますね。

 極寒の地、アラスカに住むエスキモーの人々は、寒さを防ぐために脂肪分の多いアザラシやクジラの肉を食して生活しています。
 反対に、熱帯地域のパプアニューギニアの人たちは、ほとんど芋しか食べないそうです。
 これらの人々が、それぞれの食事を反対に食したらどうなると思いますか?

 寒い地域も多いヨーロッパの人たちは、小麦の栽培を中心に、酪農、牧畜を営んできました。それがパンや乳製品、肉食文化の根源となっています。
 一方、日本を含めた東南アジアの人々は、温暖な地域の特色もあり、米や野菜が主な食料となりました。

 食生活、気候、風土、文化の違いは、体の特徴、体型、体質の違いを生みます。

 食物繊維の多いお米は消化吸収にとても時間がかかります。そのためか、日本人はヨーロッパの人々に比べて、倍以上腸が長いと言われています。腸内に住む細菌も、繊維質を分解する種類のものが多いのが特徴です。

 反対に、肉類を多食するヨーロッパの人々の腸は、腸内で肉類の腐敗を防ぐために短くなっているようです。腸内の細菌も主にアミノ酸を分解する種類のものが多く住んでいます。
 

 日本には、伝統的な食文化があります。
 玄米ごはんに野菜の煮物、漬物などですね。

 こういったものを何千年も前から食してきた結果、今の日本人の体格や体質を作って来たのです。
 戦後、栄養学とともに入ってきた欧米食は、日本人が食べだしてからまだ100年にも満たないのです。
 

 これらの食生活は、元来の日本人の体質には合っていないため、多くの病の原因となっています。
 アレルギー、皮膚病、花粉症、糖尿病、高血圧、肥満、エトセトラエトセトラ。
 これらの病は、戦前にはほとんどみられなかったと言います。

 我々日本人にとって一番適した食べ物は何かをもう一度しっかり考えてみましょう。
 栄養学は、日本とは気候も風土も文化も違うドイツが発祥の地です。

 無批判に受け入れるのではなく、参考にする程度にしましょう。

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