薬で病気は治らない…その②
前回、眼科で出来る治療は限られているというお話をしました。
このことについて、薬剤師の視点からもう少し深く掘り下げてみましょう。
私が勤めていた調剤薬局の側の眼科さんは「まあよく人が集まるなぁ」というほど毎日とても混んでいます。
出される薬は、毎日ほぼ同じです。
・菌を退治する抗生物質の目薬
・目の痒みや炎症を抑えてくれる目薬
・目の乾きを防ぐ目薬や涙を補ってくれる目薬
・眼圧を下げて、緑内障を防いでくれる目薬
大きく分けるとこの4つしかありません。
後は効いているんだかどうだか分からない、白内障を予防するなんて目薬もありますが“効果の承認取り消し”なんて言われているものです。
その4種類の中でも色々細かく分類されます。抗生物質の目薬も色々な種類があるわけです。
ですが…
基本的にどれを使っても大して差はありません。
みなさん、びっくりしませんか?
たったの4種類しかないのです。
何が言いたいかというと、たったの4種類の病気しか対応する薬がないのです。
その4種類の病気とは…
・目に菌が入ってしまう病気 → いわゆるものもらいですね
・目の乾燥や渇き、ドライアイ、涙の不足
・目の痛みや痒み、炎症
・目の眼圧が高くなってしまう緑内障
しかも、薬を使えばこれらの病気が治るかといったらそうではありません。どれもぜんぶ一時的に症状を抑えてくれるに過ぎません。
ものもらいは、自分の抵抗力がしっかりしていれば、多少の菌が目に入ったとしても、菌が繁殖することはありません。
目の乾燥やドライアイは目薬を指しても、指したその時だけ目が潤いますが、一時しのぎに過ぎません。
目の痒みや炎症も目薬を使えば、一時的に治まりますが、痒みや炎症の根本原因を改善してはくれません。
緑内障は、眼圧が高くなる病気ですが、なぜ眼圧が高くなったかを考えずに、目薬だけで眼圧を下げても意味がありません。
なんとも頼りなくないですか?
何時間も待って診察してもらい、窓口で何千円も払って、高い保険料を毎月納めて、受けられる治療がこの程度なのです。
保険の適用内で眼科さんの出来ることは基本的に上記の4つだけです。
この4つの治療や薬が自分に必要かどうかきちんと判断してください。
こういう情報はあまり外に出てきませんが、みなさんにはきちんと知ってもらって、それでも必要と思う場合だけ、眼科さんにかかることをお勧めします。