風邪の上手な治し方…その①

  • 2016年02月5日

今回は風邪についてです。
風邪についての説明は少し長くなるので、何回かに分けて説明します。

風邪を引いたらみなさんはどうしますか?
病院に行って薬を出してもらうか、薬局に行って風邪薬を買うかでしょうか。

これからとても大切なことを言います。多くの人はここを理解していません。

それは…
“風邪薬は風邪を治してくれるものではない”ということです。

多くの人は風邪を引いたら、それを早く治すために、病院に行ったり、薬局で薬を買います。

けれども、残念ですが、病院で出される薬も、薬局で売っている薬を飲んでも、風邪は治りません。

これらの薬は、症状を抑えてくれるだけのものなのです。
つまり…

鼻水が出るなら、鼻水が出ないようにします。
咳が出るなら咳が出ないようにします。
熱があるならそれを下げます。
のどが痛いなら、その痛みを取ります。

ということなのです。
患者さんの症状に合わせて、その症状を抑える薬が出されるのですね。
薬局で売っている薬はこれらの物が全部混ぜ合わさったものです。

このようにさまざまな症状に対して、それを抑える目的で行う治療を“対症療法”と言います。
実は、西洋の治療のほとんどがこの“対症療法”によって行われているのです。
このことはとても重要ですので、是非覚えておいて下さい。

でも、病院に行けば“抗生物質”を出してくれるじゃない?あれは風邪の原因を治してくれないの?そう思った方もいるかと思います。

これもとても大切なことなのですが、多くの方が知らないようです。

実は、風邪の原因のほとんどは“ウイルス”によるものです。
抗生物質は“細菌”を退治するものです。

ウイルスと細菌は全く違う生き物です。魚類と爬虫類くらい違います。
つまり、ウイルスによって風邪を引いたのに、細菌を退治するための抗生物質を飲んでもぜんぜん効果がないのです。

ではなぜ抗生物質が出されるのか…
二次感染予防とか都合のいい理由を色々つけていますが、要は利潤のためのようです。

今の日本の医療制度は、お薬をたくさんだすほど、病院や薬局や製薬メーカーが儲かる仕組みになっているのですね。(治療のガイドラインには、抗生物質の二感染予防は根拠がないとされています)

では、こういった対症療法の薬は全く必要ないのか?
そうは思っていません。

辛い症状を緩和することはとても大事です。
頭が痛くて眠れないとか、咳がひどいけど仕事が忙しくて休めないとか、様々な理由があると思います。

そんな時に、辛い症状抑える目的で、服用すればいいと私は考えています。
あくまでも、症状を抑えるためと理解したうえで、これらの薬を上手に使いましょう。

次回は、風邪に対しての東洋医学の考え方をお話します。

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