水分について…

  • 2016年11月6日

 今回は水分についてです。

 最近は水分はたくさん取った方が身体にいいと思っている人がたくさんいます。
 
 尿をたくさん出すために水分をたくさん取った方が良い。
 体内や血液をきれいにするために水分をたくさん取ったほうが良い。

 このような理屈で水分を必要以上に飲んでいる人が多く見られます。

 東洋医学には昔から“水毒”という考え方があります。必要以上に取り込まれた水分や、代謝しきれない水分は体内に残り、むくみや冷えの原因なります。
 ひどい場合は、めまい、耳鳴り、下痢、胃腸の働きの低下などを引き起こします。

 尿をたくさん出すために水分を取るというのはとてもナンセンスです。
 水分の代謝が悪い人(元々尿があまり出ない人)が、水分をたくさん取れば、出ていかないので、体内に溜まります。
 
 これが、心臓の負担を増やし、むくみの原因になったり、汗の出る原因になったり、消化不良の原因になります。
 また、水をいくら飲んでも血液がきれいになることはありません。血液をきれいにするためには、血液を汚す物の摂取を控えなければなりません。

 東洋医学では、体内のきれいな液体を“津液”といって、とても重要視しています。
 津液 = 水 ではありません。

 水分の理想的な取り方は、お茶やペットボトルの水から補給するのではなく、野菜や果物に含まれる水分を取ることです。血液もきれいになります。
 
 野菜や果物に含まれる水分は、ビタミン、ミネラル等の栄養素をたくさん含みます。
 こういったものが“津液”の元になるのですね。

 ひと昔前は、運動をするときは、心臓の負担をおさえ、ばてるのを防ぐために水分を控えたものでした。これは経験上得られた知恵であり、間違ってはいません。
 
 もちろん、脱水症状は気をつけなければなりませんが、現代はそちらばかりが強調され過ぎているように思います。
 脱水症状を過剰に気にする現代の風潮と、ペットボトルの水が市場に大量に出回っている現状は、メーカーの戦略が背景にあることと無関係ではありません。

 頭で考えすぎないことです。
 “1日何リットル飲まなきゃ”ではなくて、のどが渇いたら、そののどを潤すために飲めばいい。
 身体の声を聞くのが一番です。

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