検査の結果異常はありません?

  • 2016年04月8日

 今回は西洋医学の検査についてのお話しです。
 先日、60代の女性の方が首と喉の奥が痛いと相談に来られました。

 整形外科に行ってレントゲン検査をしても問題なく、耳鼻咽喉科で検査を受けても何もない。脳神経外科での検査も問題ないとのことでした。

 「どこも悪くありません。気のせいでは?」とまで言われたそうです。
 けれど、痛みはあるし、首の違和感が消えずとても憂うつ。手段がなくて、娘さんの勧めで漢方を試してみたいと相談に来られました。

 固定性の痛みではなくて、調子の善し悪しがあるとのこと。湿布を貼ったり、痛み止めを服用しても全く効かないと本人。

 かなり強めの鎮痛剤が全く効かないので、筋肉や神経の痛みではなさそう。固定性ではなく、押すと気持ちいい。
 ストレスがたまり、大変な時は痛みが出るとのこと。背中とお腹がとても張っていて、緊張感が高い様子です。

 痛みの原因は分からないので、東洋医学的な判断でお薬をお出ししました。
 痛みの改善とはおよそ縁のない処方だったので、効くかどうかは私にも分かりませんでした。

 そして、3日目にウソのように痛みがなくなったとご報告をいただきました。
今回はたまたまうまくいったのですが、東洋医学も決して万能ではありません。

 西洋医学の検査や治療も同じです。
 「どこも悪くありません、気のせいでは?」という対応はいかがなものでしょうか。

 検査検査でたらい回しにされて、多くの出費を強いられる患者の身になってほしいものです。

 本人が痛いと言っていて、ウソをついているわけではないのだから、「問題ありません、どこも悪くありません」は正しい回答ではありません。

「検査をしたけれども、痛みの原因は分かりませんでした」
「今の技術では、あなたの痛みの原因は解明出来ません」
が正しい回答だと私は思います。

 多くの人に、西洋医学の検査が万能ではないことを知っていただきたくて、今回の症例を記事にさせていただきました。

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